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第22話  秋
 携帯電話のスピーカー部分から、サラの声が答える。
「ミネルバは出張中なんだ。オーラーデからダカラ島に直行したんだよ。」
サラの穏やかな口調は、しかしアレンの混乱を押さえ込む事はできなかった。
「えと、じゃあ、一度もミネルバはそっちに帰ってない?」
「そうなんだよ〜。あれから一週間だろ? ようやく折り返しでさ、まだ一週間、帰って来ないんだよ、寂しいヤモメ暮らし続行だよ」
「…あ、あの、アルテミスは……」
「アルテミス? 彼女がどうかしたのか?」
そのサラの口ぶりから、アルテミスが一度でも訪ねた形跡はなさそうだ。
「いや、…なんでもないよ…」

―――彼女はいったい、どこへ行ったんだ? 今どこにいるんだ? 
 ミネルバのところにいるのだと思っていたアレンは、すぐにでも様子を尋ねたい思いを押し殺して、この一週間を耐えて来た。それも限界を超え、ミネルバに改めてきちんと彼女を頼もうと、ミネルバの携帯に電話をかけてみたのだが繋がらず、かといって自宅へかけて留守番のアルテミスが出てしまったら…と考慮し、サラの携帯電話にかけたのだった。

「あれ、そういえば、俺、誰かにもミネルバの出張を話したような気がするな…。ああ、そうだ、ジョーだ。オーラーデから一人寂しく帰りついた夜に電話が来たっけ」
行くところがなくなって困り果てているアルテミスを想像して、居ても立っても居られない気持ちに襲われていたアレンに、サラの独り言のような言葉は、ザバッと打ち付けられた冷水のようだ。
「……ジョー? どんな用で…?」
「出張だって言ったら、じゃあいいやって。あ、アレン、ミネルバの仕事先の電話番号、教えようか?」
「…いや、いいよ、急用じゃないから悪いし。帰って来たら連絡貰っていいかな…」
「分かった。そうそう、ジョーも同じこと言ったよ。おまえら本当に仲いいな」
アレンは乾いた笑いを返して、電話を切った。

 携帯を握り締めながら、必死に頭の中を整理しようと試みた。
しかし、整理すればするほど、一つの図がはっきりと見えてくる。
まさかそんな…。
懸命に否定した。次第にそれは懇願にも似てくる。
(誰のところでもいい、ジョーの部屋以外に居てくれ、アリー……!)





 テーブルに放り出していた携帯電話がなって、ソファからむっくりと起き上がったジョーは、だるそうに腕を伸ばした。モニタに浮かんでいる名前を見て眉根が寄る。深く息を吸い込み頭を切り替え、気持ちの準備を整えてからスイッチを押すと、煙草を吐き出す息遣いと共に脳天気な声が耳に刺さった。
「よう、ジョー。元気か〜?」
「お陰様でな」
「写真、無事に届いてるか?」
来たぞ!とジョーは身構えた。あの写真、オーラーデ島のビーチハウスでの打ち上げ会の夜、ただ紳士らしくリリに礼をしていた所を、ことさら意味深げに撮りやがった。そもそもあの時コイツは、にやにやしながら「仲いいね」とかなんとか言いながら寄って来た。あなどれないのだ、この男は。ありもしない事を面白可笑しくでっちあげるなんて事は朝飯前の情報局員だ。標的にされたらうっとおしくて敵わない。ネタになりそうな言動は決してしないようにと、ジョーは細心の注意を払う。
 リリとの写真など、見ていない、受け取っていない、知らないで通すことにして、軽くかわす。
「ああ、打ち上げの写真な。それもお陰様で楽しませてもらったよ、けっこうイケルんじゃねーの、ロイの腕もよ」
「そうか? 褒めてくれたの、お前だけだぜ。嬉しいな」
「へえ、お姫さんは褒めちゃくれなかったのか?」
嫌味を込めて、カーラをわざと姫呼ばわりした。本人にこれをすると、数日は口を利いてもらえなくなる。本人が嫌がっている呼び方なので、ロイも然り、快くは思っていないはずなのだ。
 しかしロイは、一瞬沈黙しただけで、平然と返して来た。
「カーラは今、苦手なジャンルに挑戦中で、それどころじゃないってゆーか、俺なんかのはお遊びだからいいんだよ」
「へぇ〜」
「ま、とにかく、無事に写真が届いてるなら良かったよ。おまえ、一言も返事くれないんだもんな、ちょっと心配してたんだぜ。間違えて違う誰かに送っちゃってるかな?とかさ」
ロイの挑発に胸が一瞬ぐらっと煮えたが、かろうじて飲み込んだ。しかし返事まではできずにジョーは黙った。
「これで思い残すことは無いな。実はさ、しばらく留守にすることになってさ。気になる事は片付けておこうと思ってな」
苛立ちながらも、ロイの空気の変化に気付いたジョーは、
「留守って、どこへ行くんだよ?」
「ああ…。S6(エス・シックス)にな」
「……」
ジョーはソファに沈み込ませていた身体を立て直した。

 S6とはサタン6の略名で、土星エリアにあるコロニーなのだが、それはかつての独立小国家ローガーナだったコロニーだ。国家が消滅した後、太陽系連邦局の所有物となり、名をサタン6と付けられた。

「カーラもか?」
「ああ。って言うか、カーラが呼び出されてんだよ。親戚のおっさんに」
カーラの親類ならばそれなりの地位を持った皇族であろうに、ロイにおっさん呼ばわりされているとは、どんな人物なのか見当が付いた。
 ろくでもない輩の呼び出しに応じて、わざわざ土星くんだりまでの遠路を出かけるとは、無視できないよほどの理由があるのだろうか。そもそも、そのおっさんは危険人物ではないのか?
 ぐるぐるとジョーが思い巡らせていると、
「ま、予定としては往復3ヶ月ってとこだ。用件が滞りなく済めば、だけどな。帰って来る頃は真冬かな」
「いつ発つんだよ」
「一週間後だ。カサリナで壮行会してくれよ。ゴセに言っときゃ段取ってくれるだろ?」
「それはもちろんだけど、船は?」
「アレンだよ。ブレイブアロー。鬼に金棒だろ? だから安心してくれよ」
ロイは笑った。
(そりゃ、無敵の戦艦に乗っていれば道中は安心だろうが、問題はS6に到着してからだろうに)
 しかしジョーは、その言葉は飲み込んだ。そんなコトは当の本人達が一番良く分かっている事だ。
「そうか、じゃあ、三人お出かけか。分かった。派手に送ってやるよ。心残りの無いようにな」
ジョーも笑って返した。
「心残りねぇ。あるっちゃあるけど、ま、楽しみに取っておくよ。頼むぜ、ジョー」
意味ありげなロイの言葉に、一瞬固まるが、すぐに切り返した。
「おう、楽しみにしてろよ、帰還祝いも盛大に用意しといてやる」
「あー、帰還祝いな、うん、そっちも楽しみにしてるよ」
小さく笑うと、じゃあなと言って、ロイは電話を切った。

(ったく、ヒトがマジで心配してるっていうのにコイツは!)
ジョーは携帯を投げ出し舌打ちした。
 セヴァといい、ロイといい、なんでこうもアイツとくっつけたがるんだ? アホらしい。ただの仲間じゃねーか。オレにも選ぶ権利があるんだし、そもそもオレにはリラがいる。一段落したらリラを探しに宇宙へ出るつもりなのだから。

 “自分が出会ったリラとアレンの出会ったアルテミスは別人”で、“今回アレンが連れ帰った女はアルテミスとは別人=リリ”だと己の心で決めたジョーだったので、その定義で行けばリラはどこか別の場所にいることになる。

 そう思う心の隅で、正反対の定義が静かにじっと存在している。
一人の女に自分とアレンが出会っていて、今「リリ」と名乗っている女が、その女だとしたら……。いくら探しに出かけようと、その先では見つからない。目の前に居るのだから。

 それを思うと気が滅入るので、あれこれと考えるのは避けて、目の前にある問題を、つまり宿無し職無しのリリの面倒を見る事に集中しているジョーだったのだ。

 ふと、ジョーは携帯を拾い上げ電話をかけようとして、携帯ではなく顔を見ながら話したいと思い直し、リモコンで壁の電話を操作した。
 なかなか出ない。留守かもしれないと諦めかけた瞬間、モニタに相手は現れた。
「よう、ロイから聞いたぜ。S6だって?」
ジョーはいつも通りに話しかけた。
だが、モニタの中のアレンは何も言わずに、こちらを睨んでいる。ジョーはすぐに察知した。
(アイツがここに居ること知ってるな?……)
アレンがあんな顔をしている理由と言ったら、それしか有り得ない。
――しかし、どこで聞いたんだろう? まさかロイではあるまい。ロイだって、今彼女がここに仮住まいしていることまでは知らないはずだ。
 そんなコトを考えながら、ジョーはアレンに投げかけた。
「なんだよ、その顔」
「アルテミス、いるんだろう?」
(ああ、やっぱりな)
「アルテミスって女は、ここにはいねえよ?」
ジョーの言い方に、アレンは全身がカッとなった。

“アイツは、アルテミスじゃない。代用するな”

 レース前の暑い夜の浜辺でジョーが放った言葉を思い出す。ジョーにとって彼女はアルテミスではないのだ。
という事は、つまり、やはり「彼女はそこにいる」ということだ。
「……ミネルバの所に行くと言ったんだ……」
「らしいな。アイツ、ウーナシティとブーナシティ、言い分けらんなくて、ブーナシティにいてよ、」
「それで偶然おまえと出くわしたって?」
「そー、マジで」
嘘なんかじゃない事は、もちろんよく分かる。
しかし、気に入らないのだ。そんな偶然が起こるなんて気に入らない。アイツ呼ばわりも気に入らない。
アレンはとうとう声を荒げた。
「なんでミネルバの家に連れて行かないんだ!」
「ミネルバ、出張で、」
「サラがいるだろうが!」
「サラと二人っきりの家なら良くて、オレと二人っきりの家じゃイヤなんだ、おまえ」
アレンは返す言葉がなかった。――その通りだった。そしてそれは、あまりに子供っぽい主張だ。
しばらくアレンは、モニタの中でうつむき、左手で額を押さえ、何かに一生懸命耐えていた。
そんなアレンの姿に、親友としてジョーは心が痛んだ。
「なあ。アイツ、心配してるぜ。アルテミスだと思っていたヒトが、突然いなくなって、どうしてるかって」





 まさに、今朝、そんな会話をしたのだ。
ビドル島から帰宅すると、ジョーはリリを連れて家の周りを一巡りしながら、生活に必要な店の場所を教えて歩いた。
 そして、四泊五日のバカンスからグランレース、そしてその直後の農作業一週間の疲れが一気に出た二人は、二人っきりという情況にギクシャクする間もなく、ベッドやソファに倒れこむように眠ったのだった。
 そうして迎えた今朝。一足先にソファから起き上がったジョーが、肌寒いテラスに出て一服していたところへ、いつの間にか起きて来たリリがコーヒーを淹れて持って来たので、そのままテラスでコーヒーの湯気をくゆらせながら話したのだった。

「あ〜、もう休みも、明日で終わりだなぁ」
「明後日から…私は…、その…」
「あ? オレが店行ってる間、しっかり家事すんだよ、家政婦さんよ」
「…はい…」
「ややこしい話になりそうだから、おまえがここに居る事は皆には言わねえぞ。ミネルバが帰って来りゃ、そっちへ落ち着けるんだしな」
「うん…」
「でも……。アレンには、言っといた方が良くねぇか?」
「え…」
「ミネルバの家に行くって言って来たんだろ?」
「……」
ジョーの言わんとしている事は、リリにも分かっていた。もしかして今頃は、ミネルバの出張を知って、更には一度も訪ねて行っていない事まで知って、行方不明になったと慌てているかもしれない…。アレンに施された携帯電話は置いて来たので、アレンから彼女へは連絡の取りようが無い状態なのだ。

 でも…

 リリは決断できなかった。
よりにもよってジョーの家に居るなんて、とてもじゃないけど言えない。
それこそ、アレンとジョーの仲に溝ができてしまうのではなかろうか。一番避けたい事態を確実に招いてしまいそうな打ち明け話をする勇気は、リリにはなかった。

 そう尻込みする反面、アレンの心中を思うと、申し訳ない気持ちで一杯になって、泣きたくなった。
「…どうしてるかな……。アルテミスだと思ってたヒトが突然いなくなっちゃって……」
思わず漏らす。そしてすぐに
「なんて、私が言えることじゃなかった」
と唇をかんだ。しかしジョーは言ったのだ。
「おまえだから、だろ。大丈夫、アレンはそんな弱くねーよ」




 ジョーは自信があった。

 額に手を残したまま、アレンは言った。
「……元気なのか……」
答えるジョーの声色はいつも通りだ。
「まあ、ようやくだな。死にそうな面して歩いてたんだぜ、さすがによ。で、ちょうど人手を探してる知り合いがいたからよ、農場なんだけど、そこで大勢のガキ供の世話させてるうちに、ぼちぼちって感じで。一週間みっちり働いて昨日戻って来たとこだ」
アレンはジョーの話に思わず顔を上げた。
てっきり、あの日から今日まで、ジョーの部屋で二人で過ごしていたと思っていたからだ。
「これから本格的に職探しと部屋探し始めるわけだけどよ、仕事はミネルバの世話になった方がいいと思って。ミネルバの病院でさ。おまえもそう思うだろ? だから、部屋もそっちで見つけりゃいーんじゃねーって。まー、何はともあれ、ミネルバが帰って来るまで動けねえんだけどさ、今はオレが雇ってんだ、住み込みの家政婦で」
アレンは、ただただ、ジョーの顔を見つめながら話を聞いていた。


 そして理解した。納得するべきなんだと。


「そうか……」
心が急速に静まって行くのを感じながら、クリアになって行く思考の中で、見えて来た図式があった。
 自分が地球へ連れて来たのに、傷付けて居場所を奪ってしまった。行く宛てのない彼女を救い、新しい居場所を提供してくれたのだ、ジョーが。
「ジョー。……サンキューな……」
「チームの仲間だからな、アイツも」
「……そうだな、仲間だな、もう。おまえにとっちゃ命の恩人だしな」
「ああ、それはもうチャラにしてあるから、いちいち蒸し返すなよ? あ、アイツな、自分で名前付けてたぜ。S6に行く前に会ってけよ」
今のアレンなら大丈夫だとジョーは確信した。もうやみくもに彼女を責めたり傷付けたりしない。わだかまりは少しでも早く消した方が良い。
「そうだな。じゃあ、彼女の仕事が決まったら教えてくれよ」
彼女が引け目を感じないように、自立してから会おうとアレンは判断した。
ジョーはそれを汲み取って、
「ミネルバの出張が延びないよう、祈ろうぜ」
「ああ、そうだな。こっちのタイムリミットは一週間だからなぁ」


 消える寸前にアレンは笑っていた。
――やっぱりアレンだ。信頼して間違いはなかった。
大満足だった。グレーになったモニタを見つめながら、ジョーも頬が緩んだ。
 と、ドアのロックが外れる音がして、小さな足音が入って来た。
「……ただ今…帰りました…」
大きな袋を下げたリリが、やや緊張気味な表情で立っていた。自分の家ではないので「ただいま」とは言えない気分なのだろう。仕事モードでいることで、ここに居る許可を自分に与えているかのようだ。
そんな彼女にジョーもきっちりと付き合う。その建前がなければ、彼女は恥ずかしくてここに居られなくなってしまうと知っているからだ。
「おう。ちゃんと暖かいの選んで来たかよ」
「うん…」
この港町の秋は短い。あっという間に寒くなる。彼女には冬支度が必要だった。ジョーは強制的に彼女に前貸しをさせて、街へ買い物に行かせていた。彼女の置いた大きな手提げ袋を見て、厚手の衣類を買って来た様子が分かり、ジョーは安心した。
「今、ロイから連絡来てさ、来週、アレンの船で、カーラと一緒に土星へ発つんだとよ」
「え……」
突然の話にリリは言葉も返せず目を見開いた。
「あー、つまり、S6っていう土星のコロニーにカーラが呼び出されて、お供でロイも行くんだけど、あいつらもう船なんて持ってないから、運び屋としてアレンを雇ったってわけ。だから三人でお出かけ。とりあえず、往復三ヶ月の予定だってよ」
ジョーがさっくばらんに分かりやすく説明してくれたので、リリもおおまかに把握できた。
それと同時に、不安が胸の中に広がったが、
「で、アレンに電話して、おまえが元気で居るって伝えといたから」
と言われ、リリは目の前が真っ暗になった。頭の中は大嵐だ。息を飲んだまま何も返せずに立っていると、ジョーが言った。
「安心してたぞ」
リリは泣きそうになった。それ以上、ジョーは何も言わなかった。リリも何も訊かなかった。
 
 夕刻を告げる鐘の音が、遠い空から秋風に乗って流れて来た。
「そうだ」
リリが小さな紙袋をがさごそまさぐって、葡萄を取り出した。
「美味しそうでしょ? 今夜のデザートね」
紫色の大きな粒が瑞々しい水滴を付けてぷりぷりと光っている。両の手に乗せて嬉しそうに笑うリリの目元も、光る滴が滲んでいたが、ジョーは気付かぬ風で葡萄に手を伸ばし、一粒摘まんで口に放り込んだ。
「あ! デザートって言ったのに!」
慌ててリリは、葡萄を庇うように背を向ける。
「うまい」
ワインなら口にしているが、加工前の果物は久しぶりだ。うまいと言ったのは本心だ。甘くて果肉の感触がいい。
「今喰おうぜ」
立ち上がったジョーは、リリの背後から腕を伸ばし、いともあっさり葡萄を取り上げ、リリの手が届かないように、葡萄を持った手を高く上げながら食べ始めた。
 何とか葡萄を取り返そうと、リリは爪先立って腕を一生懸命伸ばしたが届くはずも無く、指は空を切るばかりだ。
「も〜!」
そんなリリを尻目に、葡萄の花言葉は…とジョーは考えた。いくつか思い出されたが、その中でも今の気分にぴたりと合うのは“信頼”だ。
 信頼できるアレン。アレンの信頼にも必ず応える。コイツをちゃんと守る。ミネルバが帰って来るまで。
「ワインがあったから、夜はそれを開けようぜ」
「え、ワイン?」
ぱっとリリの顔が明るくなった。酒には強くないリリの、それでも少しは楽しめるのがワインのようだ。
 そうだ、ワインにちなんだ花言葉に“忘却”なんてのもあったな、とジョーは思い出した。
過去なんて忘却の彼方へ捨てちまって、目の前の未来を見て歩けばいいんだ。
忘却最高。
 上機嫌で葡萄をほおばるジョーに向かい合って、リリも葡萄を摘み始めた。

第22話  秋  END
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